Graded Readerの楽しみ方

Graded Readerの楽しみ方

 Graded Reader(通称:GR)は、難易度を5~6段階くらいに分けて、レベルが上がるごとに使用される単語の種類や文法が増えていく本です。内容はオリジナルのものから、古典文学や映画を短縮簡略(リトールド)したものとなっています。単語も、辞書を引かなくても文脈から意味が推測できるように書かれていたり、Glossaryとして、英英辞典方式で新出単語の解説がされていたりします。なので、低いレベルから順に上のレベルまで読んでいけば、自然と洋書を読む下地ができるという優れた教材です。ただし、GRを開くと最低レベルの物を除いては文字ばっかりなので、初心者にはとっつきにくい感じがあります。ここでは、私がどうGRを楽しんで読んできたかを書いてみます。
 私は、英語多読を開始するとき、イベントに講師で来ていた西澤一先生から、『GRを低いレベルから順番に片っ端から読むといいよ』とご助言をいただきました。そこで、さっそくGRのコーナーに行ってみて思った事は『あれ?どれからよんだらいいの?』ということでした。とりあえず、CengageのPageturnersシリーズ(音声ダウンロード付き)と、OxfordのBookwormのレベル0、Macmillanのリトールドを借りてみました。そして、一通り読んでみて思いました。
『CengageのPageturnersはアメリカの学生の大学生活やプライベートでの悩みが書かれていて面白いし、音声はまさに心のこもった朗読で、日本のリスニング教材なんかよりぜんぜん面白い。Bookwormのレベル0は、絵が多くて漫画みたいで楽しい。あと、Macmillanのリトールドは、英語圏の古典名作の内容が一通り勉強できて、知見が広くなるのがいい。』
 私は資格の試験とかで勉強をしてきましたが、『どうやったらこの教材を楽しめるか?』と工夫すると、モチベーションが上がるのを知っていたので、まず、こんな感じで『GRの楽しみ方』を決めました。名前だけ聞いたことのある名作『若草物語』『解決ゾロ』『ポカホンタス』『三銃士』などを一つ一つ読んでいくのは『おもしろい』、英語圏の人書いたタイタニックやチョコレートの歴史、英語の歴史などを日本の編集者を挟まずに読めるのも『おもしろい』、オリジナルのストーリーは海外の人の生活や悩みが分かって『おもしろい』。当時失業中だった私は頻繁に図書館に行って、貸出上限一杯のGRをかりては、片っ端から読む生活が始まりました。そんなこんなで、私は200万語までひたすらGRを読んでいました。後半、名前を知っている作品が少なくなってきて、作品もマイナーなものが増えてきたので、最高レベルのGRを1冊読んで思い切って卒業することにしました。今思い返してみると、物語を楽しみつつも、本質的には知的好奇心を満たすためにGRを読み続けていたのだと思います。
 GRは薄いので、低いレベルのものであれば、一日で何冊も読めてしまいます。なので、有名な物語のあらすじが次から次へと知識に変わっていき、達成感を得られます。最近は、GRと同じ形式でレベル分けされた、海外の風習についてや自然などを取り扱った本なども図書館に置かれるようになりました。物語を楽しむというより、知識を手早く増やすというのが、GRの楽しみ方なのではないかと考えています。



GRは海外文学へのどこでもドア!

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