字幕・スクリプトなし多聴を24時間やってみよう

字幕・スクリプトなし多聴を24時間やってみよう

 多聴に初めて挑戦する人にぜひ実践していただきたいのは、24時間多聴です。とうぜん、連続で聴き続ける訳ではなくて、聴いた音源の時間をExcelなどで集計して、合計が24時間になるのを目指します。音源は、絵本や児童書、Graded Readerの朗読、Podcast、Youtube等、様々なものを試し、上手く聞きとれなくても聞いた時間はカウントして下さい(TOEICの音源は故意に初心者に聞きとりにくくしてる場所があるので、極力少なくした方がいいと考えています。)。最初はすべてがちんぷんかんぷんですが、色んな音源を聴いていると、だんだん自分に合ったものが区別できるようになってきます。
 とはいえ、初めて字幕・スクリプトなしで多聴に挑戦するときって、右も左もわからないですよね。『どのくらい聴けばいいのか?』『聞き取れないまま聴き続けていいのか?』『聞き流しは効果があるのか?』など、さまざまな疑問が不安を掻き立ててきます。そんな方は、拙著の『多聴多観の始め方【note記事】 【PDFダウンロード版】』をご一読ください。
 さて、24時間という根拠はなんなのでしょうか?それはズバリ、私の経験です。時間を計ってなかったのが悔やまれるのですが、私の場合は20時間程度、朗読やPodcastを聴いていたら、『あ、聞き取れる!』という瞬間がやってきました。それは全ての単語を聞き取れる訳ではなく、主語と述語と場所だけを聞き取る感じのつたない物でしたが、一文読み上げられるごとに状況がちゃんと伝わってきて、すごい衝撃的な瞬間でした。この20時間を、記憶しやすい一日(24時間)にしたのが、24時間にした理由です。
 私も最初は、ぜんぜん音声が聞きとれなくて、こんな状態で大丈夫かな?と不安が少しありましたが、ちゃんとブレークスルーがやってきました。ただし音源は、日本語の訳文の読み上げが無いものを聞いていました。
 多聴の最初は、ヨイードンではじまって、先に走る英文の背中を必死に追いかける感じです。そして、英語の音になれ、リズムを覚え、たくさんの英文を処理できるようになりと少しずつ変化が現れます。そうやって追いかけることで徐々についていけるようになるのですが、日本語の朗読が入ってしまうと追い付く練習にならないと判断した次第です。
 字幕・スクリプトなしで多聴を始めた人は、スタートでつまづいてやめてしまう人が多いように感じるので、ぜひぜひ騙されたと思って24時間、聞いてみて下さい!ちなみに、やったことは無いですが不眠不休で24時間きくのはやめた方がいいと思います。英語多読でも多聴多観でも、脳が英文になれるまでに時間差があるからです。聴くのは1時間でも、脳は多聴していない時にもバックグラウンドで働いて8時間かけて新しい言語を習得しようとする、そんな感じだと思います。
 私が学生の頃、大学時代の研究室の先生に『子供はよく知恵熱を出す』という話を聞かされました。『子供は目の前でしている会話や行動の意味が分からなくても、ひたすらじっと見て、聞いている』『目の前にあるおもちゃとの距離感が分からず、何度も空をつかみながら、おもちゃを掴む』『子供はそのとき、ものすごく頭を使っている。故に子供はすごく頭を使っている』という話しでした。これを読んでいるあなたも、その過程を通ってきたはずですよね?赤ん坊になった気分で、ひたすら、ますは24時間、字幕・スクリプトなしで多聴をしてみませんか?



息継ぎするみたいに、集中して聞くのと聞き流すのを交互にするの。
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