”英語多読がつまらない”と向き合ってみる方法

”英語多読がつまらない”と向き合ってみる方法

 英語多読を楽しめない人って、結構な割合でいます。割とこの問題、掘り下げた考察がされていないので、今回はそれについて記事にしてみました。

英語多読が楽しめないってどういうこと?
 ある人は、ストーリーが単純すぎてつまらない。結末が分かり切っているのでつまらない。というかもしれません。本の内容に対する不満ですね。実はこれは、内容だけでなくて英文を読むときにかかる負荷も低すぎるのかもしれません。逆に、単語・文法が理解できていないまま読むのが不安で楽しめないというひともいるかもしれません。こういう人は、内容よりも英文を読むこと自体で負荷が大きいのかもしれません。
 Flowという概念があります。これはMihaly Csikszentmihalyiが提唱した、時間を忘れて何かに没頭している状態をあらわした言葉です。 Mihalyによると簡単すぎる課題では、人は退屈さを感じ、難しすぎる課題では不安を感じるため、適度なレベル設定の課題を選ばないとFlowの状態にはなれないとされています。これをヒントに、英語多読を楽しめない人が取るべき方法を考えてみましょう。

本の内容がつまらないと感じる場合の対策
 本の内容がつまらない人は、もうちょっと課題の難易度を上げた方がいいかもしれません。しかし、それは読む本の難易度を上げるという方法を選ぶと、失敗する確率が非常に高いことが経験的にわかっています。では、程よく負荷を上げるにはどうしたらいいでしょうか?

ずばり、英文の難易度を上げることなく、作業量を増やしたり、思考力を働かせるべきでしょう

 0.難しすぎる本は読まない
 1.読む冊数を増やし、読んだ冊数をやりがいにしながら実力をつける
 2.背景知識のない分野の本を読み、想像力や推測力を働かせる
 3.読む本を限定せず、ジャンル開拓することで冒険心を満たす
 4.得意分野を英語で読んでみて、説明の仕方の違いなどを比較する

 対象年齢の高い本を読めれば、おそらく内容的には楽しめる確率は高いですが、そういった本を読めるようになるまでは簡単な本を読んで実力をつける必要があります。なので、英文のレベルは上げずにできる課題を設定して、知識欲や達成感、冒険心を満たせるようになるといいでしょう。 話は変わりますが、からせみはエグゼクティブサーチ(ヘッドハンティング会社、もとい人材紹介会社)の元職員とお話したことがあります。食事会で隣の席になったから色々聞いたのですが、ヘッドハンティングのやり方とかは教えてくれませんでした。しかし、唯一教えてくれたことがあります。それは、『人のメシの種になっている情報は、表にでてこない。検索したら出てきたり、本になっている情報はすでに価値のない情報だ』ということです。英語多読をしていると、たとえ子供向けの本でも日本の本には載っていなかったり、日本語で検索しても出てこない情報が次々にでてきます。これって、すごい冒険じゃないですか?

英文を読んでいて不安を感じる場合の対策
 単語・文法が理解できていないまま読むのが不安で楽しめない人はどうしたらいいでしょうか?

ずばり、辞書や翻訳エンジンに頼らずに答え合わせができるといいでしょう。

 0.難しすぎる本は読まない
 1.絵本やイラストの多い本を読む(絵で答え合わせができる)
 2.背景知識のある分野の本を読んで、すでにある知識で不安な部分を補完する
 3.英文だけで読んだ本の内容について、同じ本を読んだ人と感想を言い合ったりあらすじについて話してみる

 不思議なもので、理解できていないことの不安を辞書や訳文、翻訳エンジンだけに頼って解消しようとするといつまでも不安はなくなりません。しかし、辞書や訳文、翻訳エンジンに頼らない方法で答え合わせを何度かすると、不安は消えていくようになります。おそらく辞書・訳文・翻訳エンジンを完璧なものだと信じて依存する姿勢から、完璧への執着をすてて自分の中で解決するという、心の在り方の転換があるものだと考えられます。辞書や訳文、翻訳エンジンは、答えはくれるけれども、あなたの考えで大丈夫だよという肯定感をくれないのではないでしょうか? (そもそも現実的な問題として、辞書や翻訳エンジン、訳文がただしいのか?という問題もありますが)

 どちらの場合も共通して言えることは、『難しすぎる英文は読まない』ということです。これは黄金則だと考えています。英語多読は楽しく読むことが前提ですが、楽しみ方については多読三原則以上の情報がない状態で読み始めることがほとんどです。からせみは英語が一番嫌いで苦手な科目でした。英語多読を始めても、英語はちっとも好きではありませんでした。しかし、スランプはありましたが、英語多読で読んできた本は楽しんで読んできました。ここに書いてきた話題も、からせみ自身が試行錯誤して得た解答の一つです。

 どうしたら楽しくなるかを見つける、、、、。これは、勉強やゲーム、仕事やスポーツでも絶大な力を発揮するスキルだと信じています。洋書を置いている時間にでも、ちょっと考えてみる価値はあると思いませんか?
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