受験生はなぜ英語長文が苦手なのか?

受験生はなぜ英語長文が苦手なのか?

1.英語をほとんど使わない英語の授業
 からせみは中学校や高校での英語の授業を受けていたころ、授業の内容に特に違和感を感じませんでした。その日テーマになった文法にのっとって書かれた英文が板書され、その下に訳文と文法の解説が次々と書かれていく。
ところが、英語多読で200万語くらい読んだ後、たまたまテレビに映った高校生向けの英語のテレビ番組を見て思いました。

『あれ?英語の授業なのに、肝心の英語が話されている時間がほとんどないぞ?』

 知っている文法の解説とは言え、同じ英文を繰り返し読んでその解説しているだけで、英語部分の情報の少なさに驚いてしまいました。英語に触れる時間が圧倒的に少なくて、これでは日本語で表記する英語関連の用語にはなれるけど、英文自体にはほとんど触れないまま授業が終わってしまう。このことは当時のからせみに強烈な違和感を残しました。

2.文法書で触れられる英文の量はどれくらい?
 英語の文法書でどのくらいの英語に触れられるでしょうか?実際に図書館で標準的と思える文法書を手に取って、日本語の文字数と英単語の語数を数えてみました。結果は以下の通りです。

ページ数1ページ350ページ
日本語(文字数)341文字119350文字
英単語(語数)19語6650語


 350ページの教科書を1ヵ月で読み終えるペースで読んだとします。そのためには、毎日11ページずつ読み進める必要がありますよね?すると、一日当たりにこの文法書で英文に触れられる量はたったの209語になるわけです。209語というとStage5のORT一冊分(ちょうどマジックキーが出てくる場所です)になります。このレベルのORTは初心者でも5~10分で読める分量ではないでしょうか?(ちなみにからせみはゆっくり読んで2分で読めます)。文法書を11ページ学習するには1時間以上かかると思うので、文法書学習で触れる英単語の語数が英語多読と比べて圧倒的に少ないことがわかりますよね?
 英検の勉強をしている人と話す機会がよくあるのですが、文法書での勉強を優先している人は、大抵長文問題が苦手だと訴えてきます。長文が苦手な理由は、この文法書で触れられる英語の語数の少なさが原因ではないでしょうか?

3.受験生は英文をどこで読んでいるのか?
 からせみは英語多読とは別に、受験英語の勉強法の情報も集めていました。すると、やはり受験勉強でも、受けた模試や志望校試験の過去問の長文を毎日音読することが推奨されています。実際、難関大学の英語問題を収録した赤本では、10年や20年分の英語の過去問題だけを収録したものが売られており、確実に受かりたい人は丁寧に解いて、毎日音読していくそうです。
 学校英語では5文系を主体とした文法を偏重する傾向がありますが、学校で長文を自分で読む時間が割かれないことの埋め合わせのために、受験生たちが自分たちのフリーの時間を使って読むことで補ってきたのではないでしょうか?実際の受験では英語多読と同じように英文を無心に読む時間をとっているのです。

4.英語多読の効用
英語多読は文法をやらないので受験では不向き、あるいは効率が悪いという言葉をききますが、長文対策として英語多読を行うのは非常に有用だとからせみは考えています。もちろん、一般的に英語多読で使われるネイティブ向けの本と、試験の英文では使われている単語の種類が大きく異なることは考慮に入れるべきですが、、、。英語の授業で文法知識を詰め込むだけでなく、バランスよく英語の長文を腰を据えて読む時間をどこかで設けるようにしないといけません。英語多読では、大学受験の範囲外の単語が多く出てきます。しかし、大学受験の後に、英検などを受ける場合には、そういった単語の知識が生きてきます。なので、大学受験以降に自分の英語力のピークを持ってきたい人は、ぜひとも英語多読を取り入れてもらいたいです。




英文、、、たくさん読もう!。
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