『勉強の習慣化はハミガキと同じ』は嘘?英語多読が続く人と続かない人

40.『勉強の習慣化はハミガキと同じ』は嘘?英語多読が続く人と続かない人

 英語学習を習慣化する話でよく持ち出されるたとえがあります。それは、『ハミガキのように毎日繰り返すことで勉強が習慣化できる』というものです。これって何か出展があるのでしょうか?本当によく耳にします。

 しかし、からせみはこの例えを聞くたびに、違和感を感じています。『ハミガキが習慣化すると、毎日ハミガキをしないと違和感を感じるので、毎日必ずできるようになる』というのは確かに正しいと思います。でもそれと英語多読をしなかったときに感じる気分の悪さは同じなのでしょうか?

義務感ではなく、ハングリーさ!モチベーションお化けの研究より
 英語多読が習慣づくと、読まない日はすごく違和感を感じます。ところが、この違和感はハミガキしない違和感とは違うと感じています。毎日やらなきゃいけないっていう義務感ではなく、ハングリーな感覚と言えば伝わるでしょうか?ハミガキの習慣って、わりとやっつけ仕事になりがちですよね?でも、英語多読は知識欲や感情体験の空腹を満たしてくれる手段です。ハミガキの習慣より、空腹を満たすために食事をするの方が、当然モチベーションはですよね?
 このハングリーな感覚って、何なのでしょうか?からせみは、ギフテッド教育(Gifted and Talented Education:GATE/いわゆる『天才』に対して行う教育プログラム)に関する書籍を英語圏から取り寄せて何冊も読みました。ギフテッドはモチベーションが非常に高い人が多いです。Eily Kircher-Morrisという人の著書『Teaching Twice-Exceptional Learners in Today's Classroom』という、才能(ギフト)と学習能力や精神や身体機能にデコボコが共存している学習者向けの本には、モチベーションには以下のような6つのレベルがあると書かれています。

レベル別のモチベーションの状態
Level6活動そのものが動機であり、報酬でもある。読書が好きな人は、読むこと自体が報酬であるため、内発的に動機づけられていると言えます。内発的動機で動く状態。
Level5外的な報酬と、その人の自己意識(アイデンティティ)が密接に結びついている状態です(自己決定論(SDT)における外発的動機づけの最高段階)。例えば、学校新聞のために執筆することを楽しみ、その活動で賞を獲得した生徒は、この状態と言えます。
Level4活動に伴う外的な報酬の価値を、自分自身で認めている状態です。例えば、宿題を頑張ることが良い成績に繋がり、自分が価値を置いている『大学合格』や『奨学金の獲得』に役立つと理解して取り組んでいるなら、それはこの状態と言えます。
Level3たとえ自分から進んでやりたいと思わなかったり、その価値がわからなかったりしても、『それが期待されているから』という理由でタスクをこなそうとする状態です。例えば、親や教師から課題を与えられ、生徒が『やるべきことだから』とそれに従うのは、この状態と言えます。
Level2報酬を得るため、あるいは罰を避けるためだけに、活動に従事している状態です。このタイプの調節は、子供が自己効力感を育むうえで最も効果が低く、しばしば行動のムラ(一貫性のなさ)を引き起こします。
Level1生徒が動機を完全に欠いており、報酬や罰を与えても行動を促すことができない状態です。このような生徒は、おそらく極端な回避行動を示します。

 これらの記述によると、内発的動機で英語多読自体を楽しんでいる人は、モチベーションが最高レベルに到達しています。別の場所では、モチベーションが高い場合は、水泳であれば水泳の大会で勝つための筋力トレーニングのような苦痛の伴う作業もこなすことができると書かれています。すなわち、習慣でこなせている人は、高いモチベーションに後押しされてその作業をこなしているのです。英語多読仲間を見ていても、量だけを淡々とこなそうとした人は、だんだん読む量が減っていき、習慣が途切れて休憩に入るパターンが多いと感じています。

 ハミガキは楽しくなくて、工夫もそれほどしないと思います。では、食事やオシャレはどうでしょうか?ぜひこのハングリーさを意識して、英語多読を行ってください!



ハミガキは2分。でもオシャレには1時間!
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この記事の著者【からせみ】について:
 英語多読1000万語達成済み。身長の3倍の高さに相当する量の洋書を読破。最初は英語が全くダメで学生時代は勉強をサボってゲームばかりしていた経歴の持ち主だが、現在はバリバリ洋書を読みまくる英語クラスタの一員である。洋書で心理学の勉強をしており、優秀な人から英語が苦手な人まで、色んな人の悩みに寄り添えるよう日々努力しています。地元にある英語多読クラブの副代表もつとめています。

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